(3号)自民党総裁候補者の品定め
9月12日、自民党総裁候補者9名が決まった。小林氏、河野氏、石破氏、茂木氏、林氏、小泉氏、高市さん、加藤氏、上川さん。
世論調査で、好感度が高いとされてきた、小泉氏、石破氏、高市さんの政策内容を、私なりに分析、論評する。
小泉進次郎氏:
(1)納得できること
- 男性系の皇位継承支持と宮家の復活。
- 自民党裏金問題に関し、政策活動費の廃止、旧交通費の公開と残金の国庫返納。
- 憲法の改正。
- (2)疑問に思うこと。
- 経済政策の中心に、各種規制緩和を上げ、以下の具体例を述べた。
例1、ライド・シアー制度の導入:大きなインパクトにはならない。
例2,解雇規制の緩和:従業員を不安にする。
- 選択的夫婦別姓制度の早期導入。国民の7割がそれを希望していない。
- (3)懸念材料
一般的に経験不足、知識不足が指摘されている。小泉氏自身もそれを認めている。しかし、自分は、有能な人材に囲まれていると弁明した。
周囲の人から色々な助言を聞くのは良い、しかし、最終判断は総理総裁自身が行うべきで、総理総裁自身が広い知識と豊富な経験を持つ必要がある。
高市早苗さん:
(1)納得できること
- 日本の伝統である男系皇位継承の維持と必要な皇室典範の見直し。
- 経済力の向上に必要な財政投資を行う。
- 成長分野では政府が方向性を示し、民間投資を促す。
- 民間ではできない分野、食料、防災、エネルギーなどは政府が投資する。
- 憲法の改正。
- 国防の充実。
- 相手国に攻撃を思いとどまらせるだけの防衛力の強化。
- 非核3原則のうち、「持ち込まず」の廃止を前向きに考える。
- 国家の誇りをもつ外交。
- 令和の省庁改変。
- 裏金問題:
- 党に入る政治資金の入出金を透明化。
- 党に入る政治資金は属人化せず、議員全員に公平に分配する。
- 夫婦同一氏制度の継続。
(2)疑問に思うこと、 特になし。
(3)懸念材料。
志を共にする同士との間に強い信頼関係を醸成する努力が必要。何かを実現するためには、緊密な同士が必要で、政治の世界では特に大切だ。
石破茂氏:
(1)納得できること
- 憲法改正。
- 地方創生の推進
- 農業の振興。
- 各地の成功事例を普及させる。
- 地方が主体になって考える、地方が自由に使える資金量を拡大する。
- 自衛隊員の処遇改善:50歳定年後の再就職について、国が支援する。
- 非核3原則のうち、「持ち込まず」の廃止を前向きに考える。
- 災害にあった時、迅速な対応するため、防災省を創生する。
- OECD並みの教育投資を行う。
*(2)疑問に思うこと
- 女系天皇に関し「完全に否定して良いのか」と検討する意向を示した。
- 選択制夫婦別姓についた「不利益を受けている人の一種の権利侵害をどう除去するかが極めて大事。実現は早ければ早いに越したことはない」と早期実現に言及した。
- 中国に対抗するため、アジア版NATOの構築を提唱しているが、アジア諸国は民主主義国と中國の動向を窺っているのが実態で、目的に反し、かえって、アジアに不要な混乱を招く恐れがある。
- 日米安保条約について、非対称性(米国は日本を守り、日本は土地を提供することを指す)の解消を主張し、自衛隊の訓練所を米国に設置すべきであるとするが、これは形式だけの議論で、何もメリットは感じられない。
- 日本経済の強化に関して、骨太の方針が無い。
*(3)疑念材料
- 同氏は、政策通ではあるが、従来から、短期に主義主張を変え、味方を裏切ると非難されてきた。
- 決断が必要な政治的重要課題に関し、決断が無く、評論家的論評を述べることが多いと非難されてきた。 以上
(くいちろう)