中近東紛争、こぼれ話 --- 本日のワシントン・ポストから

中近東紛争、こぼれ話 --- 本日のワシントン・ポストから

 

イスラエルはイラン最大の外国軍事的先兵であるヒズボラを襲撃し、デバイスによる爆発、最高指導者 ナスラ師の殺害、レバノン南部地域への軍隊出動などを決行した。

これに対する報復として、10月1日、イランは、約200発のミサイルをイスラエル本土に発射、一部は軍事施設などを直撃した。

イスラエルはこのイランからの攻撃に対し、どのような報復をするか、その報復の規模に関し、米国とイスラエルに意見の対立がある。

 

米国のバイデン大統領は、イスラエルからの報復爆撃自体はやむを得ぬと黙認するが、イランの原子力核兵器製造施設と石油精製施設にはイスラエルからの爆撃を抑制すべきとして、イスラエル政府に圧力をかけている。

理由は原子爆弾施設を狙えば、中東全体に戦火が広がるおそれがあること、石油製造施設への爆撃は、世界市場でのエネルギ-価格高騰に直結するからと述べている。

イスラエルの強硬派は、今がイランの原子核兵器製造施設を爆撃する絶好の機会だと主張、ネタニヤフ首相は苦慮している。 今後の進展が注目されるところ。

 

(注)一説には、イランの原子力兵器製造施設は、地下深いところに設けられているので、軍隊が出動しない限りそれを破壊することは至難であり、空からの攻撃では、それを破壊するだけの強力な空爆兵器はイスラエルに存在していないと言われている。

 

「くいちろう」のひとりごと

「くいちろう」のひとりごと

石破新首相は信念の人というマスコミの報道で、国民的人気が高かった。安倍首相時代、同氏は多くの政府批判を発信した。しかし、今回の新内閣所信表明で、この人の言葉ほど軽いものはないことを天下に知らしめた。彼の発言は信念から出たものではなく、マスコミ受けを狙った発言だったと天下に知らしめた。

 

  • 衆議院選挙は国会で良く議論した後実行。 (実際はすぐ解散する)
  • アジア版NATOの新設。     (一朝一夕で出来るとは思わない)
  • 選択制夫婦別姓は進めるべき。  (国民・国会の意見を聞き決定する)
  • 原子力発電を出来るだけ早くゼロにする。 (脱炭素発電を進める)
  • 金輸所得に課税する。         ( 将来の検討課題)
  • 日限は正常な金利に戻すべき。     (現在の方針を継続)

その他数々。 しかもこれら発言は、総裁選の討論会で発信したものばかり10年前の発言ではない。舌の根も乾かぬ間にとは、このことだ。石破氏曰く、これら発言は一議員としての発言で、総理としての発言とは異なると、強弁した。いわゆる確信犯だ。

国民は騙された。 彼を称賛したマスコミさんにも大きな責任がある。 以上

 

(6号)中国を考察する―――中国の海外膨張政策・米国との覇権争い

(6号)中国を考察する―――中国の海外膨張政策・米国との覇権争い

1.習近平政権に入り、中国は第一第二列島線なるものを勝手に設定した。

第1列島線とは、 中国が勢力圏を確保するため、海洋上に独自に設定した軍事的防衛ラインの一つ。九州沖から沖縄、台湾、フィリピンを結び南シナ海に至る線を指す。

第2列島線とは、中国がさらに外洋に設定した線で、小笠原諸島や米領グアムを経由してパプアニューギニアに至る防衛ラインである。

上記方針に基づき、中国は今海洋進出を着々と実行している。国際社会にとって困ったことは、同国はこれまで国際的に定められた国境線を無視し、他国の島を占拠し、それを軍事要塞化しようとしていることだ。

最近の事例では、フリッピンのEEZ内にあるスカロボ礁で巡回中のフィリッピン巡視船に中国の海警局船が体当たりし、今月15日、フィリッピンは巡視船を同礁から引き上げると発表した。即ち中国の無法行為に対し、フィリッピンは撤退せざるを得なかったことになる。東アジアでは日本固有の領土である尖閣諸島を中国の領土だと主張し、中国海警船と日本の巡視船が対峙している。

 

2.米中関係の歩み

第2次世界大戦後、中国国内で、蒋介石国民党と毛沢東中国共産党の対立が再燃し、米国は長く蒋介石を支援し、中国共産党と対立していた。然し、1972年2月21日ニクソンは突如、中国・毛沢東主席を訪問し、20年間にわたる敵視政策を転換させることを約し、両者は中共同宣言(上海コミュニケ)を発表した。

  1. 体制間の相違を相互に認め、それを超えて「平和共存五原則」に基づき国際問題及び二国間問題を処理する。
  2. 米中ともアジアに覇権を求めず、覇権主義に反対する。
  3. 「中国は一つであり、台湾は中国の一部である」との中国の主張を米側が認識したこと。
  4. 米中の関係正常化はアジアと世界の緊張緩和に貢献する。

 覇権主義とはソ連のことをいい、米中ともソ連を強く意識していた。

 

米国は、中国の経済發展が進み、国民の生活水準が向上すれば、中国の共産党体制も次第に民主主義体制に近づくだろうと、長らく楽観視していた。

オバマ政権の初期まではその傾向が強く、オバマ習近平、両首脳の会談で、太平洋勢力圏を両国で2分する案も検討されたという。一時2Gという言葉が流布された。急激に成長する中国の経済と軍事力に驚いた世界は、近い将来、覇権国家アメリカから中国に移行するのではないかとまで噂された。第2次大戦後、世界の覇権国家がイギリスからアメリカに移つたと同様、今回は中国に移るのではないかという風聞である。中国はその勢いに乗じ、諸外国に対し、覇権的姿勢をあらわにしてきた。

トランプ政権は,中国のそのような姿勢を見て、次第に中国観を変化させ、対抗姿勢を鮮明にした。何事にも世界一を自負する米国民の必然的な反応である。

バイデン政権発足時、アラスカで米国および中国の外交トップが会談で、ブリンケン国務大臣は、今後の対中外交施策に関し米国の基本姿勢を次のように説明した。「バイデン政権の対中政策は3つのカテゴリーに分類される。第一は協力できる分野(Cooperative)、環境問題など、第2の分野は競争分野(Competitive)。経済など、第3の分野は対峙する分野(Adversary)、チベット問題など」と宣告し、是々非々の対応を取ると思われた。しかし、その後の進展を見ると、バイデン政権も徐々に封じ込め政策に転じ、特に先端技術分野では。中国締め出しを実行している。議会では共和党民主党両党ともに対中国強硬姿勢である。

昨年11月サンフランシスコで開かれたバイデン大統領と習近平主席の首脳会談でも、台湾問題については両者の主張は平行線であり、米国の先端技術封じ込め政策は堅持された。この会談で唯一合意されたのは、両国間軍のトップ間における意思疎通を目的とした、相互会話が再開されたことである。

中長期的にみれば、中国が現在の膨張政策を継続する限り、両国間で宿命的対立は続くだろう。特に台湾問題は、極めで深刻だ。習政権にとって、台湾併合は、政治的悲願である。然し、民主主義体制を享受している台湾国民は中国に併合され、共産主義化されることを望まない。特にホンコンが中国に返還された後の香港の推移を観測した台湾国民は、一層拒否反応を強めている。そのような台湾国民の希望を無視し、万々一、中国が武力で台湾を併合しようとした時、米国がどのような対応を示すのだろうか、全く予測できない。今、台湾海峡で緊急事態が発生していないのは、正に米国の態度のこの曖昧さである。流石に中国も今は慎重にならざるを得ない。

 

  • (注1)中国は、潜水艦、空母、戦闘機、無人機、AI兵器などで戦力増強を確実に進めているが、規模では米国に大きく遅れているし、中国軍隊には実戦経験がほとんど無いことが弱点と言われている。実際、中国は75年前の朝鮮戦争以来、戦争に参加していない。但し、中国はその欠点をAIで補完しようとしていると噂されてる。
  • (注2)BUSINESS INSIDERによる各国軍事力の比較を見ると、1位アメリカ、2位ロシア、3位中国、4位インド、5位イギリスとなっている。然し、経済力の差から近く中国がロシアを抜いて2位に浮上するのは間違いないと想像される。 
  • 2023年度国防予算額では、米国 7,617億ドル、中國2,300億ドルと、アメリカは中国の3倍の大きさである。但し、アメリカはヨーロッパ、中東にも軍隊を派遣しており、アジアだけを見ると、その戦力差は縮小されると見られている。 
  • (注3) 中国の脅威は、軍事面だけでなく、「孫子」以来の伝統的戦略である謀略活動である。中国は、アメリカ、日本をはじめ世界主要各国に謀略活動家を配備しているとの噂である。           以上

                   

臨時、中東情勢の一面  ハマスのトンネル

臨時、中東情勢の一面  ハマスのトンネル

 

本日のワシントンポスト紙で、ハマスの地下トンネルに関し、詳細情報が記載されていたので紹介する。(各国情報部から得た、匿名情報の集約)

  • トンネルは数百マイルに延長され、一つの地下トンネルのさらにその下に別の地下トンネルが構築されるなど、複雑な迷路になっており、かなりの部分はイスラエルによって破壊されたが、まだ一部は残存しているし、絶えず再構築されている。
  • 当初の予想では、彼らが使用する兵器の大部分は、イランから持ち込まれていると思われていたが、それは2割程度に過ぎず、その大部分は同地下トンネルの工場で生産されていた。
  • それら兵器は、小型であり、部品も日常的に比較的容易に入手できる民需品であり、爆薬も農業肥料用原料から製造出来るものであった。又、それらを製造する工場は小規模工場であった。
  • その入手方法も、当初は、Rafah市からエジプトに通じるトンネルを抜けて運ばれたと推測されていたが、実際には、民需品として、イスラエルの検閲を抜け、地上から搬入されていた。
  • 今後もこのトンネルを通じてハマスの反抗攻撃は継続されるであろう。
  • その資金は、一部支援国からの送金であるが、多くガザ市民の税金として、徴収し、一部は行政、福祉に流用、一部が軍事目的に充当してきた。ガザ市民は国連から援助資金を受領、一部は人道的目的のための国際的援助機関から、援助を受けている。

 

                       (くいちろう)

 

(くいちろう)ひとりごと---政治とマスコミ

(くいちろう)ひとりごと---政治とマスコミ

 

 マスコミと政治は非常に密接な関係がある。国家経営の主体は政治であるが、政治は世論を無視することが出来ない。その世論はマスコミによって大きな影響を受けている。その意味で、マスコミは間接的に政治に関し、大きな影響力を行使している。

 

そのマスコミの情報伝達手段が、今、TVと新聞から、ネットに移行しつつある。ネットの良いところは何か、ネットでは、ありのままの情報が自由に流され、国民は直接実態に触れることが出来る。その結果、ネット派では、次第に現実主義的傾向に向かっているといわれている。

他方、TVと新聞は、それぞれ事業主の考えに有利な情報を選別したり、自社の主張に有利な評論家を登場させたりして、国民世論を自社に都合の良い方向に誘導してきた傾向がある。しかも、彼らは伝統的に社会主義者的傾向が強い。TV/新聞に依存する国民は、これら情報事業者に色付けられた情報にしか接することができない。

 

先般行われた自民党総裁選挙結果を見ると、高市さんを推したのは、ネット情報に移行した都市部の有権者であり、他方、TVと新聞に依存する地方有権者が石破氏を推した傾向があると言われている。 

 

石破氏、高市氏、両者の違いは、財政面で前者プライマリバランス重視、後者は積極財政推進派、政治、外交面では、前者は親中路線又は中間路線を目指し、後者は現在の日米条約を確実なものにしようとしている。日本の大方のマスコミの論調は前者の方向と目指すとことは同じである。実際、石破氏はこれまでマスコミ受けする論調を展開してきた。 換言すれば、マスコミ受けを強く意識する石破氏がマスコミ路線をなぞっているともいえる。

 

今後、情報手段が新聞・TVからネット主体になると、世論は変化するだろう。その時、石破政権の土台が揺るぎはしないか??

 

臨時中東ニュース -- 中東情勢戦火拡大の危機報道

臨時中東ニュース -- 中東情勢戦火拡大の危機報道

 

本日の日経新聞報道、レバノン侵攻が招く「新中東戦争」 視界ゼロの戦線拡大と題し、

「スラエル軍がレバノンに地上侵攻した。イスラエル側は限定的な作戦だとするが、パレスチナ自治区ガザを起点とする戦火は拡大し、国境を越えて攻め込む軍事行動は中東をさらなる混迷に追い込む。

「第5次中東戦争」の始まりだろうか。これまでの中東戦争と同列に考えるのは早計だ。20世紀とは違う新しい戦争の出現と見るべきだ。」の記事が躍った。

 

イスラエルレバノン侵攻に対抗し、イランがイスラエルに向け、数百発のミサイルを発射し、多くは撃退されたが数発は着弾し、数名の犠牲者がイスラエル側に発生した事件を受けて発信された報道。

 

一方、ワシントン・ポスト紙は、ハリス候補の言葉として、イランを非難、トランプ大統領候補は「これは運動場で生徒が喧嘩をしているようなもので、しばらく様子を見守ろう」

 

**  中東紛争に関し、米国は、出来る限り、直接に介入しない方針を堅持するとみる。

(くいちろう)

昨日の出来事 --  石破自民党新総裁

昨日の出来事 --  石破自民党新総裁

 

石破新総裁が実現した直後、日経株式市場は約2000円の大幅値下げを記録した。同氏のはっきりしない経済政策に対する投資家の率直な反応だ。

更に、新閣僚の予定者も決まったが、おおむね不評である。

 

昨日の記者会見で、石破新総裁は突然、10月9日衆議院を解散し、10月27日衆議院投開票を行うと発表した。但し、この発言には「若し、自分が明日の国会で総理大臣に指名されたら}との但し書きがついている。

 

同氏は本日(10月1日)、国会で総理大臣に指名される予定である。国会の解散権は総理大臣にあると憲法に規定されている。同氏は何故総理大臣になる前、慌ててこの発言をしたのか? 

僅か1-2週間前の総裁検挙で、衆議院の解散時期に関して問われ、同氏は堂々と「衆議院解散については、国民に十分な判断材料を与えるため、国会で十分な議論をした後、国民に信を問うべきだ。更に、衆議院を解散すると、その間政治的空白を生むので、その時期については内外の情勢を慎重に見極めなければならない」と正論を展開した。しかし、僅か9日間の国会議論で、十分な議論は尽くされるであろうか、同氏の豹変ぶりに、国民が疑問を抱くのは当然である。

 

  • 国民に判断材料を与えると、同総裁にとって何か不都合だと思われる事態が新たに発生したのかと疑いたくなる。 (くいちろう)